コナン・オブライエンのダートマス大学でのスピーチが秀逸

コメディアンのコナン・オブライエン (Conan O’Brien) が、2011年ダートマス大学の学位授与式で来賓としてスピーチを行いました。コナン・オブライエンについては、以前のこちらの記事で紹介しましたが、実はハーバード大学を優秀な成績で卒業し、コメディアンとして表で活躍する前は、アメリカの人気コメディ番組 『Saturday Night Live』 や、アニメ 『The Simpsons』 の作家をしていました。このスピーチでも、彼の才能の高さが伺えます。なお、このスピーチの全文がこちらのダートマス大学のサイトで公開されています。

24分のスピーチのうち、最初の16分以上は殆どジョークで、その後、以前の記事で紹介した、NBCでの『The Tonight Show』をめぐる辛い経験について、ジョークを交えながら話し始めます。(動画は17:30頃から始まります。)

「一年以上前、僕はとてもつらい失望を味わった。自分が欲しかったものが手に入らなかったんだ。17年間自分を育んできたシステム(NBCのこと)を去らなければならなかった。…でも、そのせいで素晴らしい経験が出来た。僕は新しいことを色々試してみようと思ったんだ。髭を伸ばしたり、ツイッターで自分のギャグを呟いたり、全国ツアーをやったり、ギターを弾いたり、ピッチピチのレザースーツを着たり、アルバムをレコーディングしたり、ドキュメンタリーを作成したりね。…(中略)… 最終的に、(『The Tonight Show』のホストとして成功するという)当時の夢は捨てた。でもそのおかげで、自分の仕事人生の中で一番満足できる素晴らしい経験が出来た。」

“Your path at 22 will not necessarily be your path at 32 or 42. One’s dream is constantly evolving, rising and falling, changing course.”
「夢は、上がったり下がったりしながら、道を変え、常に進化する。」

誰の人生も自分の思い通りには行かない。でも、夢を叶えることを失敗することで、その夢以上のものが得られるということを、コナンは有名なコメディアンの例を挙げて説明します。

「1940年代に、ジャック・ベニー (Jack Benny) という、とても面白い男がいた。スーパースターで、その当時群を抜いて一番面白いコメディアンだった。ジョニー・カーソン (Johnny Carson) という、ずっと若い男は、ジャック・ベニーに憧れ、彼のようになりたかった。ジョニー・カーソンは、ジャック・ベニーに似ていたけど、でも色んな面で違っていた。結局、ジャック・ベニーを真似することに失敗したおかげで、ジョニー・カーソンは、彼の世代で一番面白い男になったんだ。デイビッド・レターマン (David Letterman) は、ジョニー・カーソンのようになりたかった。でもなれなかった。その結果、僕の世代はみんなデイビッド・レターマンのようになりたかった。」

“It is our failure to become our perceived ideal that ultimately defines us and makes us unique. It’s not easy, but if you accept your misfortune and handle it right, your perceived failure can become a catalyst for profound reinvention.”
「信じていた理想になるのを失敗する事が、最終的に自分を自分らしく、個性的にする。 簡単ではないが、不運を受け入れて正しく向き合えば、失敗は再発明の触媒になる。」

“No specific job or career goal defines me and it should not define you. ”
「特定の仕事やキャリアの目標が君を定義してはいけない。」

“Whether you fear it or not, disappointment will come. The beauty is that through disappointment you can gain clarity, and with clarity comes conviction and true originality.”
「恐れるかどうかは君次第だが、失望はやって来る。失望を通して、自覚を得ることができ、信念と本当の個性が生まれる。」

“Whatever you think your dream is now, it will probably change. And that’s okay.”
「自分の夢は何だと今君が思っていようと、いずれその夢は変わるだろう。でも、それでいいんだ。」

最後に、彼は『The Tonight Show』で用いた自分の言葉を引用し、スピーチを終えます。

“Work hard, be kind, and amazing things will happen.”
「一生懸命働いて、誠実に生きれば、素晴らしいことが起きるんだ。」

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