コナン・オブライエンの感動的なスピーチ

この動画の背景に、Conan O’Brien(コナン・オブライエン)の、TVネットワークのNBCと、そしてJay Leno(ジェイ・レノ)とのTonight Showに絡む確執があります。

コナン・オブライエンは、アメリカのコメディアンで長年Late Nightという、NBCの平日深夜のトーク番組のホストをやっていました。Late Nightの前の番組が11:35から始まるTonight Showで、こちらもトーク番組。ホストはジェイ・レノでした。

2009年にコナンはTonight Showのホストをジェイ・レノから引き継ぎ、ジェイ・レノは10:00から新番組The Jay Leno Showを持つことになりました。Tonight Showはアメリカののコメディアンなら誰もが夢見る番組であり、コナンにとっては長年の夢が叶ったと言っても過言ではありません。ジェイ・レノも自分の名前の番組をプライムタイムに持つことになり、二人とも大満足の変更です。こういった一連の変更は、NBCがこの二人の人気ホストを他のTVネットワークに取られないようにするためのものでもありました。

さて、新番組が始まると、二つの番組が視聴率が取れないことがしだいに明らかになってきました。特にレノの番組が散々で、彼の番組の時間帯が、Tonight Showや、ローカル局のニュース番組などのその後の時間帯のlead-in, すなわち呼び込みとなるため、彼の番組の失敗がNBCにとって非常に大きな問題となってきました。

そこで、NBCはレノの番組を30分に短縮し、かつ11:35からに移行し、Tonight Showを30分ずらして、翌日の午前12:5から開始する変更を提案しました。ところが、コナンはこの変更に対し、伝統あるTonight Showが60年間も同じ時間帯でやっているのに、他の番組を挿入して、Tonight Showを翌日に移動するとは何事かと、反対してNBCと正面から対立します。

結局、コナンはこの主張を最後まで通し、Tonight Showのホストはジェイ・レノに戻り、コナンはNBCを去ることになります。世論は筋を通したコナンに同情し、NBCとジェイ・レノに対し批判的でした。

この動画はコナンとNBCの確執が表面化している中で、コナンがホストだった半年余りの短いTonight Showの最終回での彼のスピーチです。(動画は0:30から始まります。)

NBCからひどい仕打ちを受けているにも関わらず、コナンは20年間以上も自分の居場所だったNBCに感謝の意を表します。

そして、3:45 あたりでファンに感謝してもしきれないと涙声になり、自分のファンへ、特に若い人に対してこう訴えます。

“Please do not be cynical. I hate cynicism. For the record, it’s my least favorite quality. It doesn’t lead anywhere.”
「どうかふてくされないでくれ。私はふてくされるのが大嫌いだ。はっきり言っておくが、ふてくされるのは最低の資質だ。そこからは何も導かれないんだ。」

最後に、彼は印象的な言葉で締めくくります。

“Nobody in life gets exactly what they thought they were going to get.”
「人生の中で、欲しかったものを全くその通りに得られる事なんて、誰にも起こらない。」

“But, you work really hard, and you are kind, amazing things will happen.”
「でも、一生懸命働いて、誠実に生きていれば、素晴らしい事が起こるんだ。」

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