少し古いですが、ワンス・アンド・フォーエバー(原題: We were soldiers)というベトナム戦争を描いた映画があります。
メル・ギブソンが演じる主人公は、ベトナム戦争でイア・ドラン渓谷の戦いの戦闘で隊を指揮したハル・ムーア中佐(2017年没)です。この映画の次のシーンで、戦地に向かう隊を前に、ムーア中佐が印象深いスピーチを行います。
We are going into battle against a tough and determined enemy. I can’t promise you that I will bring you all home alive. But this I swear, before you and before Almighty God: that when we go into battle, I will be the first to set foot on the field, and I’ll be the last to step off. And I will leave no one behind. Dead or alive, we will all come home together.
我々は、タフで覚悟を決めた敵と戦うことになる。私は君たち全員を生きて家に帰すことは約束できない。ただこれだけは君らと神の名にかけて誓う。私が最初に戦野に足を踏み入れ、私が最後に退却する。そして誰も置き去りにしない。死せる者も生きる者も、みんなで祖国に帰るんだ。
現在の日本のような平和な世の中で、このような命の危険を伴う経験はあまり現実的でないかもしれませんが、このセリフは本当のリーダーシップがどのようなものなのか、教えてくれているように聞こえます。
リーダーは、自分がまず率先してやらなければならない。リーダーは、他の誰もがやりたがらない、一番危険な役割、最も厳しい役割を引き受けなければならない。
現代社会における大企業では、自分が出世することばかりを追い求め、自分がやりたくないことを部下にやらせる人間が出世していくことも少なくありません。現代社会では、会社で出世する事は”技術”であり、部下に尊敬されることは必ずしも必要ではないからです。真のリーダーシップは忘れられているのかもしれません。