Jimmy Kimmel (ジミー・キンメル) は、ABCの平日夜のトーク番組、Jimmy Kimmel Live! のホストを長くやっているアメリカのコメディアンです。以前このブログで紹介したNBCのThe Tonight Showの裏番組でもあります。
この番組には、一つお決まりのギャグのようなものがあります。ジミーが、よく番組の終わりで、次のようにコメントします。
“Apologies to Matt Damon, we ran out of time.”
「マット・デイモン、大変申し訳ありませんが、時間が無くなってしまいました。」
このジョークがいつ始まってどういう意味なのか、このサイトに説明がありました。
Matt Damon on Paparazzi Showdowns and Karaoke Dates
最初はMatt自身も意味が分からず、ジミーと会ったときに訳を聞いたらこういう事だったそう。
“I was doing a particularly lame show; I think my guests were a ventriloquist and a guy in a monkey suit. We were wrapping it up, and there was a smattering of applause in the audience. I was having kind of a low moment,…”
「ある日の僕の番組はすごくつまらなかったんだ。ゲストは、腹話術師とか、サルの着ぐるみを着た男だったと思う。番組の終わりで、拍手もまばらだった。ついてない日だった。」
そこでこのジョークを使ったのが始まりだったそうです。
“It was just gallows humor.”
「それはブラック・ユーモアだった。」
つまりこういう事。マット・デイモンのようなギャラの高い一流の映画スターがゲスト出演する場合、当然その回の目玉なので、彼の登場するパートは常に番組の始めの方に配置されます。マットの出番が番組の最後に配置され、時間が足りずにカットされることは、まずあり得ないのです。マットが本当に裏でスタンバイしていて、腹話術師とサルの着ぐるみを着た男のパートをまっているはずがありません。ショボい番組だったにも関わらず、マット・デイモンすらカットされる程素晴らしい番組だと見栄を張った自虐ネタだったのです。逆に、マット・デイモンはショボ過ぎてジミーの番組に出演出来なかったということになります。
最初は観客には全くウケず、プロデューサーだけが大ウケしていましたが、構わず何回も使っているうちにお決まりのギャグになってしまいました。別にマットでなくても、一流のスターであれば誰でも良かった訳です。
その後マットは、ある回でゲストとして登場しましたが、時間切れで出てきた瞬間にエンディングとなり、ジミーにブチ切れました(もちろん演技ですが)。
怒り狂ったマットは、ジミーの実際の元カノであるサラ・シルバーマンとこんなビデオを作成してジミーに復讐します。
この仕打ちに対し、ジミーはマットの幼馴染みで映画Good Will Huntingを一緒に書いた大親友のベン・アフレックを利用して仕返しします。
このかなりどうでもいい動画に、なぜかブラッド・ピット、キャメロン・ディアス、ハリソン・フォード、ロビン・ウィリアムズ、ヒューイ・ルイスその他大勢のスターたちが登場します。
二人の関係は更に悪化し、しまいにはマットがジミーを拉致して、彼の番組を乗っ取ってしまいました。
しょっぱなからマットは、こう言い放ちます。
“Is it weird to see a person with actual talent host the show?”
「本当の才能がある人間が番組のホストをやるのって変ですか?」
この後、ゲストに先のビデオにも負けないくらいの豪華なスターがたくさん出てきて、マットと共に散々ジミーのダメ出しをします。続きはこちらのYouTube Mixでどうぞ。